高温超伝導体の電気抵抗測定



目的

固体が低温で示す相転移のうち、超伝導転移は電気抵抗ゼロ、完全反磁性を示す点で、最もドラスティックな相転移の一つである。約20年前、液体窒素温度(77K)以上で超伝導を示す酸化物が発見され、「高温超伝導体」として注目を集めてきた。本課題では、酸化物高温超伝導体として知られるBiSrCaCuO(BSCCO)について、その電気抵抗測定を行うものである。これにより、電気抵抗測定技術、および簡単な低温技術についても学習する。

実験テーマ

本実験では液体窒素を使用するが、先ず注意を熟読しておく事。

  1. BSCCOの磁気浮上実験(マイスナー効果の確認)を行う。(今回は省略)

    実験
    BSCCOの磁気浮上実験(マイスナー効果の確認)
     そのうち書きます、やります。m(_ _)m


    参考: 体験入学時に使用する「超伝導実験」についてのテキスト (酸化物高温超伝導体発見に至るまでの歴史と、磁気浮上実験について、簡単に書いてあります。)


  2. 直流四端子法による電気抵抗の測定

    実験


    後の銀ペーストを使った実験で、机が汚れないよう、作業部分の机には「台紙」を広くテープ止めしておく。下記の作業は、この上で行う。



    *** 注意 ***

    液体窒素の取り扱いについて

    液体窒素は大気中の窒素を液化した77K(−196C)の液体で、低温である事から取り扱いに注意を要する。この注意点は主に、 1.低温である事、2.気化した時に膨張率が大きいこと、による。

    1.低温に対する注意
    液体窒素の容器などが冷たいからといって、軍手等の布手袋を手にはめて取り扱う事は厳禁。大気中の水蒸気が軍手の周りに固化し(−196Cの氷!)、簡単に外れなくなる。下手をすると手全体が凍傷を起す危険性があり、最悪は手首の切断に至る。

    2.気化に関する注意
    液体窒素は気化する事により数千倍に体積が膨張する。そのため、非常に酸欠に陥り易い。最悪は死に至る。これを防ぐため、必ず換気扇を最強にしておく事。当然、むやみに大気中に放出して、気化(沸騰)を楽しまない事。
    また、液体窒素タンクには「しっかりした栓」はしないこと。タンクが爆発を起す。 但し、タンクの開口部をそのままにしておくと、大気中の酸素が液化され、タンクの中は液体酸素に置き換わり、大変危険となる。このことを防ぐため、タンクの開口部には、布、または「ゆるい蓋」をつけておく。開口したままで長時間放置しない事。

    以上、液体窒素の取り扱いについては、担当教員の指示に従う事。